第7章 下拵え【薄桜鬼】
「ハハッ……
良い心意気してやがる。
こりゃ風間も可愛くて仕方ねえんじゃねーの?」
「ああ……
俺は此の女が……
が愛らしくて堪らぬ。
だが、風間家の正統な嫁とするには
愛でるだけでは済まなくてな。」
「ふーん……
大仰な家柄っつーのも面倒くせーもんだな。
ま…風間の趣味趣向が大半の様な気もするけどよ。」
ほう……付き合いの長い不知火には悟られていたか。
確かに俺との子を成す為には性技を磨いて貰いたいのも嘘では無いが、此れは何よりも俺の性癖を満足させる為でもある。
愛らしい《我が妻》が、俺以外の男に嬲られる……
男なら一度は夢想する行為であろう?
無論、いざという時には制御が掛かる様に俺の目前で行う可きは必須だが。
「お姫さん……ってのか?」
の顎に手を掛けた不知火が問えば、は小さく頷いた。
「じゃあ俺もって呼ばせて貰うぜ。
そっちの方がお姫さんも風間も滾るだろ?」
中々に此の行為の本質を見抜いている不知火には唸って仕舞うな。
そんな想いすらも不知火は悟っているのだろう。
だが然し俺だとて、自身の洋袴を寛げながら俺に視線を向ける不知火の思考を明確に感じ取れていた。