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keep as a pet【R-18 SS集】

第1章 溺れる復讐【イケメン戦国】


それから二日間、顕如さんは私を宝物の様に抱いた。

そして二日目の事後、まるで恋人同士みたいに私は顕如さんの腕枕で乱れた呼吸を整える。

座敷牢に荒い息遣いが響く中、顕如さんがあっさりと吐いた言葉に私の呼吸はピタリと止まった。


「今夜で終いだな。」

「………え?」

「明日には織田の兵が此処へ乗り込んで来るのだろう?」

「ど……して…?」

「お前の策には最初から気付いていた。
 気付いていながら、お前を凌辱し続けたのだ。
 ………堪忍な。」

私の身体を包み込んだまま顕如さんの言葉は続く。


「俺と信長は水と油の様であるが
 望んでいるものは……
 目指している先は同じだ。
 全ての民が平穏安寧に暮らせる世。
 その為に取った手段が違うだけの事。
 俺は今でも信長の行った愚行を認めている訳では無い。
 然し、俺は完膚無き迄に敗れた。
 で、あるならばもう……
 信長に刃向かう資格など有りはしないのだ。
 只それでも、洪の僅かな一太刀で構わぬから
 俺が生きた証の楔を、信長の創る世の中に打ち込みたかった。
 それが、………お前だ。
 この先、信長の傍らで生きて行くであろうお前の中に
 俺の血を残す事が出来ればと……
 こんな惨めで矮小な策を取った。
 お前には本当に申し訳無いと思っている。
 唯……最後の最期にお前とこうなれた事で
 俺の生涯には一片の悔いも残っておらん。
 ありがとう……。」
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