第7章 下拵え【薄桜鬼】
其の女が俺に見せ付ける様に大股を開いて秘部を曝け出し、然も其所を自分の指でぐちゅぐちゅと弄くっている。
俺が為て見せろと指顧した行為だが、何よりも其の無茶な指顧を疑いもせず素直に応じるの従順さが俺を煽った。
偉そうに『“ぴくり”ともせん』と告げてはみたものの、其の実……
俺の股間にはかなり熱が集中している。
「……何故涙を流す?
…………辛いか?」
「いえ……
只……あの…恥ずかしくて………」
はそう言ったが、羞恥だけで無いのは俺にも分かる。
相手の顔も知らぬまま嫁いで来た先で、自分の夫と為った男にこう迄辱められれば泣きたくもなるであろう。
そうであるのに『辛いのか?』という真っ当な問いには首を振って、俺を気遣うの可憐しさには一層劣情が湧き上がった。
「そうか……恥ずかしいのか。
だが、こんな程度で済むと思うなよ。」
「……え?」
俺は自分の袂から仕込んでおいた物を取り出し、の手の届く場所へ滑らす。
其の物へと視線を落としたは、一瞬にして頬を紅く染め息を飲んだ。
其れは鼈甲で出来た張形。
天霧から『閨での一興としてお使い下さい』と渡された物だが、天霧が言うにはかなり高額であったらしい。
其れよりも男根を模した生々しい形状には呆れもしたが、の様子を見れば此れは此れで中々に昂ぶるではないか。