第1章 溺れる復讐【イケメン戦国】
翌晩、顕如さんはちゃんと私の元に来てくれた。
自分の策が実を成した結果に内心ホッとしつつ、今夜の私は昨晩とは裏腹な態度を取る。
浴衣の合せをきっちりと重ね、身を縮ませて怯える様な視線で顕如さんを見上げた。
「もう……
どうにも為らぬ。」
漏れ出したその低い呟きへの証明なのか、顕如さんは徐に法衣を脱ぎ捨て始め……
下帯まで全て失った顕如さんの裸体は僧侶とは思えない程に逞しく靭やかだった。
そしてその身体の中心では、もう既にソレが天を仰ぐ程に屹立している。
その後はいつも通りに私の浴衣を剥ぎ取り………
でもいつもと違ったのは私を《褥の上》へ《仰向け》に組み敷いた事だ。
両手首は確りと布団に縫い付けられ、全身に覆い被さる顕如さんの重みに身体を捩る事すら許されない。
それでも私を真っ直ぐに見下ろす瞳は柔らかく穏やかだ。
「顕如…さ……」
「お前の……名を教えてくれ。」
私の呼び掛けを遮って紡がれた問い。
こんな些細な言葉に何故か心が震えてしまう。
だから私は、にっこりと微笑んで答えた。
「……です。」
「………。」
確認する様に私を呼んだ顕如さんの唇はそのまま私の首筋に埋まり、そこを何度も強く吸い上げた。