第75章 くもりのうち雨?2
沢side
太鳳「だってっ…高校行ってまだ彼氏居たことないとか言えないよー…」
沢「気持ちは分かるよ。睦子や仁科みたいに、部内に好きな人居たら良いのにね」
太鳳「えぇー………え!?今なんて!?」
沢「気づいてなかったの」
太鳳「……仁科が想い寄せてるのって、もしかしなくても」
沢「…………怜花しか居ないでしょ。まぁ、仁科本人自覚してないから発展はしなそうだけど」
仁科の怜花への想いは、正直言って見ててバレバレ。
近寄られれば顔を赤くして、褒められると嬉しそうにしてる
そして何と言っても彼女にだけ素直、最初の生意気な彼とは思えない位変わった
これを毎日見てたら誰だって分かるでしょ、気付いてないのは仁科本人と怜花だけ
太鳳「…あの2人、見ててムズムズするよね。早くくっつけばって」
沢「自覚したら応援しようかな」
太鳳「…じゃあ睦子は誰に?大吾?まさか仁科?」
沢「ちょっと、何で丹波さんはスルーなのよ」
太鳳「丹波さんはない」ピシッ
ハッキリ宣言する太鳳、そんな彼女に大吾と一言伝えると本当に知らなかったのか驚愕の表情
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貴方side
学校.グランド
大吾「よし、じゃあ投げて良いよ仁科」
仁科「…」
私達はグランドにて、仁科の球を観ていた
仁科「…」
_シュッ
パアアアン!!
大吾「ナイス!」
…仁科の球は、最初に来た時より格段によくなっていた
彼の不得意なコントロールがよくなりストレートも綺麗に決まる
変化球はまだ練習中だが、まだまだ成長していく
追い抜かれないように、私も頑張ろう
数時間…
ポツポツ
大吾「……止みそうにないな」
仁科「さっきより強くなってるし」
くもり空だった天気は、今はかなりの雨が降ってきた
大吾「今日はもう帰えろう」
仁科「え、まだ変化球…」
大吾「雨で滑ると悪いし、体が冷える前に帰ろう!」
貴「え、おい大吾」
大吾「また明日ね!!」
そう言いながら大吾は走りながら帰る
……明日覚えとけよ、大吾