第66章 捕手交代
貴方side
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審判「手首を…!?」
アニータ「は…はい。すみません、こんな時に」
貴・大「……」
審判「それほど痛いんじゃ、プレー続行は難しいんじゃないんかね?」
アニータ「でもっ……」
審判はアニータの様子から続行不可能と判断した様子だが、アニータは引き下がらない
クルクル!
アニータ「ほら、うちなら大丈夫!平気平気できまっせ!さぁ試合再開しまひょ!」
手首を横に振ってアピールするアニータ、私はそんな彼女の手首を掴む
アニータ「い…!!」
貴「この手首じゃ無理だ。すみません、捕手交代します」
アニータ「っいやや!うちこんなんで下がって負けるなんて、絶対いやですわ!!」
貴「駄目、大吾も同じ考えだ」
それでも代わりたくないアニータ
アニータ「嫌ですわ!!うちは、最後まで師匠の球をっ」
貴「_これ以上悪化して、野球が出来なくなったらどうするんだ!?」
アニータ「…!!」
大吾「……怜花」
貴「……たった少しの痛みでも怪我は怪我。それで野球が出来なくなるかもしれない……私は、怪我で肩を痛めて野球人生が危うくなった人を知ってる。
だからこそ、こんな所で無理してほしくないんだよっ!」
アニータ「…」
睦子(……怜花、光君の事を言ってるのね…)
大吾「……」
ポン…
アニータ「?」
大吾「怜花の言うとおり交代だ。無理は禁物、それに…試合で勝てば怪我が完治してまた捕手を頼める」
アニータ「……キャプテン…」
私と大吾の言葉に、悔しそうに…けど無言で首を縦に振る
大吾「審判。捕手には俺が交代で入ります、レフトには丹波さんをお願い致します」
貴「…」
捕手交代により、アニータの代わりに大吾が入る