第61章 アニータの過去1
千里side
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1年前、横浜リトル時代の夏の大会
アニータ「え!?じゅ…12番!?あたしが2番ちゃうんですか!?」
監督「今度の夏の大会から、スタメンマスクは石坂で行く。
最近の石坂の成長ぶりは、アニータも知ってるだろう。お前は控え捕手と代打の切り札として、しっかり準備しといてくれ」
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千里「アニータは最後の大会で、同級生のライバルにスタメンを取られたんです」
ブンッ!!
―パァァン!!
千里「入団時は周りの男子より体が大きくて、力もスピードもあったアニータだけど…6年生の頃には同級生の男子も負けないくらい成長してきてたんですよね…」
太鳳・沢「……」
千里「結局、そのままリトル最後の年は控えのまま不完全燃焼で終えて…アニータはだいぶ落ち込んでました」
そして誰も知らない出来事を千里は語り始める
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アニータ「……」
サッ…
?「久しぶりね、二人とも」
千里「川瀬監督…!」
アニータ「……」
アニータと千里、そして元・横浜リトル監督の川瀬涼子がこの出来事の中心人物となるそうだ
…………
川瀬「え!?風林中で野球!?」
アニータ「…!」
千里「うん。先輩の沢さんと相楽さんもいるし、あそこ今人数少ないじゃん。一緒に風林いこーよ」
アニータ「……」
川瀬「でもいいの千里?硬式で続けたいってあれだけ言ってたじゃない」
千里「いいんです監督。あたしは野球を続けたい想いが強いんで」
けど、アニータの答えは…
アニータ「もう、えーよ野球は」
千里「?」
アニータ「あれは男子のスポーツや。女がどう頑張っても、結局男には勝たれへん。時間の無駄や」
千里「…!!」
川瀬「……」
アニータ「うちはもう男女別のスポーツやるわ」
アニータは、野球を辞める決意を私と川瀬監督に告げたのだった