第56章 初めての失点?2
貴方side
大吾(まずいな…怜花も、いつも通りじゃない……ト部が居るからか?)
仁科(…先輩…)
確かに牽制練習なんて、最近やったばかりだけど…それでもランナー出しちゃうなんて
パンパン!
清.監督「よーしいけ!」
相手側の監督がさらにサインを送る
アニータ(ノーアウト1塁…この足のチーム、また何を仕掛けてくる…師匠も、何かいつも通りじゃなくなっとる…)
アニータは、心配そうに私を見守る
大吾『セカンドランナーの場合は、ベースに野手がつけませんから、どうしてもリードを大きくとられます。ただし、捕手から距離の短い三盗は二盗より圧倒的に難しいですから、リードさえ短くできれば簡単に走られません。
相手に警戒させ、リードを抑えるためにも、最初にピックオフで牽制が来ると見せておいた方がいい』
貴「…」
前日に大吾が伝えたアドバイスを思い出す
ト部「……」
シュッ―!
―パァァァァン!!
審判「ボール!」
貴「っ」
卜部に対して際どい球を投げるが、ボールに
清.監督「鈴木、星原君は随分ト部に意識燃やしてるな。てっきりト部だけだと思ったんだが」
アンディ「…リトル時代、普段は仲良かったんですが…野球に関しては常に結構言い争ってました。同じ投手だからですかね」
審判「ボール!」
シュッ―!!
―パァァン!!
審判「ボール!」
際どいコースを突くもすべてボールとなる。
清.監督(まだ中学生じゃ目の前のボールを投げる、打つだけで手いっぱいだ。
それに星原君はト部を意識してるみたいで、コントロールが乱れてる。うちにとっては彼女が一番の脅威だから有難い事だ)
大吾「……」
清.監督(相手が勝手に足を意識してくれるだけで…我々はまだ盗塁1つしてはいない)
これこそ、清和中学野球部が掲げた”足攻撃”