第55章 初めての失点?1
貴方side
アニータ(牽制しない方がいいったって…大丈夫なんか!?)
太鳳「わお、なめてんね~」
大吾「……」
サッ…
アニータ(牽制するしかあらへん、刺せるなら刺さへんと!)
アニータの指示は、牽制の合図
今の状況はそれしかないか
シュッ!!
ザァァァァ!!
―パァァン!!
審判「セーフ!!」
貴「!」
アニータ(速過ぎて刺せん!?)
私のクイック牽制も、難なくランナーは頭から滑り込む
清.監督(…これがうちのスーパーリード。一見刺せそうに見えるが、あくまで帰塁を前提としてれば5m以上のリードも可能。
星原君が優秀な投手なのは知ってる。けど、1日2日程度で長年辻交ってきたうちの機動力には勝てん)
サッ
太鳳「もうほっときな怜花!」
沢「バッター集中!」
貴「……っ」
ト部(…それができりゃいいんだけどな)
シュッ―!!
―パァァァン!!
ト部(野手は気楽に言ってくれてるが…)
シュッ――!!
ト部(よほど鈍感なピッチャー以外、そうはいかねーのさ)
―パァァァァン!!
審判「ボール!フォアボール!!」
卜部はこうなることを分かっていたかのように私に視線を向ける、軽く笑みを浮かべて…………ムカつくっ
ト部(…星原が凄いのは知ってる。けど、牽制を付け焼き刃で覚えて出来る程うちは弱くねーよ)
清和「よっしゃ!ノーアウト一・二塁!」
清和「続けよ卜部!!」
『3番ピッチャー、卜部くん。』
ト部「……」
卜部がコールされ、ネクストサークルに入る