第29章 初めての感情
仁科side
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『_俺に、変化球、教えてもらえないっすか…』
貴「…」
ポジション決めの部活終わり、俺は星原先輩を追いかけて変化球を教えてほしいと頼む
ストレートだけじゃ、いずれ限界が来る
俺は、強くなりたい
だからこそ、俺以上に強い先輩に頼みたい
貴「……何で私に頼む」
仁科「…俺以上に強いからっす……尺だけど」ボソ
貴「…最後聞こえてんだけど」
仁科「!……と、とにかく…俺は強くなりたいっす!!
だから、俺にっ、変化球を教えて下さい!!」
貴「…」
人生で初めて、監督以外に頭を下げる
けど、ここはプライドはいらない
しばらく沈黙の空間が続いていると
ガシッ!
仁科「!?」
貴「……ふーん……以外と筋肉ついてるな」
先輩が、俺の体を触り始める
仁科「な、な、何してんっすか!?//」
貴「何って筋肉触ってる、仁科にあった変化球はどんなのがあってるか」
仁科「!……それって…」
貴「…プライドが高いお前が頭を下げるなんて余程変わりたいんだろ。
それに、文句言いながらも部活休んだ時なかったよね。
そういう真面目な奴は、好きだ」ニコ
仁科「……っ//」
初めて見た先輩の笑顔に、何故か顔が赤くなりドキドキした
今まで野球ばかりで、こんな気持ちなんか一ミリもなかったのに…
初めての感情に、分からず戸惑いながら俯いていた
貴「……顔赤くない?風邪?」
仁科「へあ!?え、あ、いや、違うっす!問題ないんで!!//」
貴「…なら良いけど。
変化球だけど、追々何があってるか一緒に決めながら練習するから」
仁科「!うす!」
貴「……途中で、止めるとか言ったらぶった倒すからね」ニコ…
仁科「……うす」
明日から、変化球への特訓が始まる…