第27章 捕手の腕前3
貴方side
貴「……っはぁ!!」
シュッ!!
アニータ「!!…っ」
私の本気の球は、アニータが取れなかった
アニータ(…うちが、捕れへんかった……なんや、この速さと威力は……初めてや)
仁科(…あの時より、また早くなってる………この人の底はどこだよ)
アニータの側にいき、手を見る
貴「悪い、本気で投げちゃった。怪我してない?」
アニータ「だ、大丈夫ですわ…そんな柔じゃありまへん」
貴「……今日は、止めるか」
アニータ「!大丈夫です!」
私が思ってる事を伝える
貴「…私の球、大吾はちゃんと捕れるよ」
アニータ「!」
貴「言ってる事分かる?アニータがいた横浜リトルでは当たり前に捕れたかも知れない。
けどここは風林中野球部、リトルじゃない。
大吾を甘くみてたみたいだけど、その大吾はアニータが捕れない私の球が捕れる。
アイツを見た目で判断するな、捕れないなら代わってほしいな」
アニータ「……っ」
仁科(……本当先輩って、煽るの天才だな)
大吾「おーい!何か練習止まってたから見に来たんだけど……空気悪っ……あ、怜花また何か言った?」
貴「さぁ、本当の事言っただけだよ」←
大吾「いや、お前の本当の事はマジで心に刺さるから!」
貴「……そんなに?」
大・仁「そうだよ!/そうっすよ!」
大吾と仁科が声を合わせる、仲良いな
アニータ「…っもう一回、投げて下さい。
先輩の球捕るまで諦めまへん!!」
貴「……いいよ」
アニータの目は、真剣そのもの
それだけ捕手が好きなんだな、私が投手が好きなように
貴「……っふ!」
バシン
アニータ「っ……もうちょい」
貴「……っはぁ!」
バシンッ
アニータ「っあぁ!今掴めそうだったのに」
大吾「……アニータは、精神が強いな」
千里「それもありますけど、多分星原さんが憧れの存在だから捕手は譲りたくないんだと思います」
大吾「っ!千里、いつの間に」
千里「すみません、気になって見に来ました。他の皆さんも」
大吾(……いつの間にか、皆見てるし)