第21章 新風林中野球部始動1
貴方side
大吾「アニータってキャッチャーだったの?横浜リトルで正捕手?」
アニータ「イエス。マスク被って全国ベスト8まで行きました、クリンナップも打ってました」
貴「へぇ」
アニータ「ちなみに今、風中の正捕手はどなたでっか?」
大吾「あ…俺だけど、俺は茂野大吾」
アニータ「………」
大吾を見てアニータは…
アニータ「あかん…どないしよ沢先輩」
沢「え?」
アニータ「こんなん100%キャプテンからポジション奪ってまうやんうち。こういう時、日本的にどう言うたらカドが立たんのやろ…つらいわー」
大吾「……」
千里「もうカド立ててるよ、アニータ」
千里が沈黙の中、アニータに忠告する
大吾「ア、アハハハハ!気が早いね。まぁ、まだそんなのはいいじゃない。
他の1年生にもキャッチャーの人もいるし、とりあえず入部決まったってことで、明日から練習見せてもらって、おいおい決めていくよ。
今日はひとまず見学でもしててよ」
そう言ってアニータと千里以外は練習に戻る
アニータ「なんや…うまくはぐらかしよったわ、あのちっこい君。それにしても頼りなさそうなキャプテンや。あいつでええんか?」
千里「どうだろ。でも沢さんや相楽さん差し置いてキャプテンやってるってことは、何かあるんじゃない?」
アニータ「せやろか、まぁ正捕手の座は譲らんで。
それに、憧れのあの人の球捕る為にもな」
千里「…やっぱり、綺麗だったね星原さん…雑誌で見るよりも全然。
投球の腕前も沢さんや相楽さんにも聞いてるし。
実際目の前で会ったら、凄いオーラ感じたね…」
練習中、私の会話を2人が繰り広げてたのは知るよしもない