第1章 永遠の始まり(信長side)
いつもは機敏な秀吉まで手も足も出ず、呆気にとられている。
三成はいつもの冷静な目で分析しながらも、
今、目の前で起きた事が信じられないという興奮を隠しきれていない。
「ふっ、、、、ふーはっはははは、 信じられん!!
あのような面白い女が日ノ本におったとは!」
笑いが止まらない。
こんなに愉快痛快な出来事が今まであっただろうか?
莉乃、、、か。
俺を助け出した時の、あの目。
己の立場を顧みず、俺に意見した時のあの顔。
あの女は今まで俺が見てきたどんな者とも違うようだ。
欲しい。
何としてでも。
ほとんどが焼け落ちてしまった本能寺。
駆けてゆく莉乃の背を見ながら、秀吉に
「無傷で捕らえろ、城で待つ」
と指示したのだった。
泡立つ気持ちを抑えながら。