第4章 叶わない願い
_____城、着物、武将たち。
心のどこかで「夢の中なのかもしれない」と期待していた弱気な自分を思い知る。
長い長い悪夢を見てるのだと。
_____思い違いだった。
「あぁ、莉乃様・・・
そんなお顔をなさらないでください・・・」
「そ、そうだよ。
あんた、昨日、家臣をやつけたんだってね。
今朝はその場にいなかった家臣たちまでその話題で持ちきりだったよ。
やられた家臣は恥ずかしいって寝込んでるって。
政宗さんにも肘鉄食らわせてたし。その意気はどこいったんだよ」
「家康・・・肘鉄の話はもう忘れろ。
よーーーし!!
今宵は宴だ!!お前の歓迎会を開いてやる!
うまいもん食わしてやるから、楽しみにしとけよ!」
「おぅ、それはいい案だ!!
お酒の席なら、信長様も考え直してくれるかも知れないしな!」
時空を超えて。
着るものも、食べ物も、習慣も、違う。
・・・でも、確実にあるのは、
変わらないのは、
人の優しさかも知れない。