第3章 500年の時を翔ける
「断って俺んとこ来いよ、たっぷり可愛がってやるぜ」
前のめりでチャチャを入れる政宗さん。
「何言ってるんですか、政宗さん。
そういえば、俺の御殿の女中の一人が国に帰りたがってるんですよ。親が病気だから看病したいって。
代わりに莉乃を住まわせてもいいですか?」
「家康てめぇ! 莉乃を住まわせてなんの世話をさせるつもりなんだよ!
冷めた顔して卑猥なこと考えやがって!」
「秀吉さんこそなんなんですか、さっきから莉乃見てにやにやしすぎ、近づきすぎ。」
「俺から莉乃をかっさらおうなんて500年早いわ!
秀吉も欲しいなら欲しいって堂々と言ったらどうだ?
むっつり野郎が!!」
「なにをーーーーーーーっ!!!」
ギャーギャーと言い合いが始まる中、そっと近づいてきたのは光秀さん。
「この城に住まうのであろう?ならば俺が案内をしてやらねばな。
ついでに、俺の部屋で茶を立ててやる。
ついておいで」
そういって手を取る。
「あっ、光秀様、城のご案内はわたくしもご一緒します!
莉乃様、わたくしのことはどうぞ三成、とお呼びくださいね。
困ったことがあれば何でも頼ってください!」
ご一緒、と言う割に光秀さんから手を引き剥がそうとする三成くん。
(呼び捨ては・・・君付けならいいよね?)
「黙れ貴様ら!!!!
莉乃は俺の拾い物だ!!
ゆめゆめ間違えるな!」
信長の一喝が広間に響く中、行先の不安に大きなため息をつく莉乃であった。