第11章 ★知らない感情★
ふと、昔背中をポンポン優しく叩かれると安心出来た事を思い出す。それを見様見真似で団長にしてみると、ピクっと動き、少しだけ抱きしめられる力が強まった気がする。きっと、団長という立場は疲れるし無理をしているんだろうな。癒されたいとも言っていた気がするし、人肌が恋しいのかもしれない。
「ちょっと着てみてほしい服を用意したから、着替えてくれないか?」
「命令ですか?」
「ただのお願いだよ」
同じやり取りでも少し楽しくなってしまった。
体が自然と離れ目が合うと、瞼の上にキスをされる。触れるだけの優しいキス。それだけで体が疼いてしまった気がして、恥ずかしくなった。
服は牢の中のベッドの上に置いてあり、自分から牢の中へと戻らなくていけなかった。まあ、どうせ中に入れられるのだから大した違いは無いけど。
フリルの付いたエプロンドレス。猫耳カチューシャ。白のニーハイ。ガーターベルト。こ……これは……。
「やはり、よく似合っているよ」
メイド服に身を包んだ私を見て明らかに楽しそうな団長。動くだけで下着が見えそうな丈のスカートが何とも心許なく、見えないように丈を抑える私。
「変態」
「誉め言葉として受け取っておこう」
ああああああああ!! 歯が浮きそう!! なんだこれ!! なにこれ!?
恥ずかしくて体全体が熱い。ていうか、サイズがピッタリ過ぎて逆に引くんですが!? これでアレか。ご奉仕しろっていう事か!? ああ、無理! 恥ずかしくて死ねる!!
「君を見ているとホントに飽きないよ」
「ほ、誉め言葉として受け取っておきますっ!」
「誉めてるから安心するといい」
そうですかそうですか! 穴があったら入りたいですね!
「では、メイドさん。私を癒して頂けますか?」