第6章 トロスト区奪還作戦
アルミンを護衛するために私も壁の上へ上り走り始める。正直、体力には自信なんて無い。
アルミンに付いていき、エレンの元へとたどり着く。座っている? やっぱり、作戦は失敗したのか……。流石に走ると息が続かないな。少し、岩の上で休もう。巨人がどんどん引き寄せられてくる。エレンの力が危険だと分かったのか? ミカサとアルミンの声が遠い。あぁ、多いなぁ。1体ずつ確実に仕留めていきたい。銃が効けばいいのに。なんで銃が効かないかなぁ。
そういえば、刃を交換する時に、気を付けないと刃が飛んでいくって言ってたな。それを利用して巨人の目つぶしとかできたらいいのに。いや、やろうと思えば出来そうだな。やってみちゃう? どうせ刃は変え時だ。ガスはあと半分ぐらい。あと一息やりますか。
立ち上がり辺りを見渡す。巨人に食われる人も死体もたくさん居た。ここが地獄じゃないなら、地獄はもっと酷い所なんだろうか? 仲間が食われてるのをただ見ている私は、人なんだろうか? そもそも、命令さえあれば人を殺す私。私は、人? 人の皮を被った悪魔かもしれない。そういえば、調査兵団の団長は悪魔だと聞いた気がする。会ってみたいな。
さて、そろそろ考え事はお終い。屋根にアンカーを刺し飛び始める。目の前にいた6メートル級のうなじを削ぐ。左右に1体ずつ。この勢いのまま突っ込めるのは左。左に向かって飛び続ける。高度が足りないので、左腕の肉を削ぎ、アンカーを刺しなおして高度をつけうなじを斬った。そのまま目の前に出てきた3メートル級のうなじを削いで屋根の上に降り立つ。今日だけで何体倒しただろうか。もう数えてないや。
巨人と目が合う。と同時に、両手の刃を勢いよく射出する。両目をつぶしたところで、空中で刃を装備し、うなじを削ぐ。うん、やはり当たり所さえ見極めればやれない事は無いらしい。まあ、状況次第かな。うなじを狙ったアンカーが巨人の腕に間違って刺さったので、仕方なく腕を削いでから体勢を直してうなじを削いだ。
とりあえず、これで一旦エレンの周辺は安全になったかな?