第2章 ★解散式の夜★
「流石にこの国の人は効きが早いなぁ。あとで、ジークにも教えといてやるかぁ。ま、いいや。ナイフは返してあげるね。もう、動けないでしょ?」
「っ! ああああっ!!」
ナイフを受け取り、殺意だけで体を動かす。切りかかろうとしたが、やはり、こんな状態のナイフなどたやすく躱された。私でも、簡単に躱せる安い手だ。でも、ナイフは、どこかにいるであろうケニーへの布石だ。これに気付けば、そのうち何かしら手は打ってくれる。
「んー……君の監視役が、上司の元へ向かったようだね。時間はあんまり無いかなぁ。それとも、見せびらかしたかった?」
「なんでも、お見通しってわけ……?」
正直、睨みつけていれるか分からないが、精いっぱい睨みつける。何となく、そうしないといけない気がした。
「じゃあ、始めようか。ベルトルトもどうだい?」
「ライナーから聞いていたが、レックス、いい加減に!」
「あっそ。じゃあアリアの処女は僕の物。ベルトルトは、僕が余計な事を喋らないように、アリアが気持ちよくなるのを手伝ってよね。……お前だって、アリアにも気があるのバレバレなんだよ。ここで死なせたくないなら、大人しく従え」
「っ!?」
何? 何を言ってるの?
「ごめん、アリア」
ベルトルトがどんどん近づいてくる。そのまま、私を羽交い絞めにし、足を強制的に開かされた。
「な、に……なんで、こんな」
「それじゃ、動かないでね? 肌傷がついちゃうから」
レックスは懐からナイフを取り出し、私の服を切り裂いた。悲鳴とか、恥ずかしさとか出てくるのかと思ったが、ナイフが肌に当たる冷たい感触に、私の背筋が跳ねた。何で? 何で、今の何?