第1章 ずっと大好き 大切な幼馴染み
「アッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」
「そんでよ、俺はこう言ってやったんだ!名乗る程のもんじゃあねェ、俺の名前はキャプテン・ウソップ様だァってな!」
「それ名前言ってんじゃねェか!ブッヒャヒャヒャヒャヒャッ!!」
ルフィ、めっちゃ汚い笑い方してる…
本当に楽しい時の笑い声だ。
その様子を遠くから見ていると、ルフィが私に気付いて声を掛けてきた。
「あ、おーい!むつきー!」
「お、ルフィの幼馴染みの」
「…どうも」
「むつき今のウソップの話聞いたか?」
「あ、うん。ちょっとだけ」
「すんげェアホだろ!?アッヒャッヒャッヒャッ!」
聞いてはいたけど、何が面白かったのか全く分からない。
これがいわゆる男子ノリというものだろうか。
そんな事より、早くルフィと二人きりでお昼ご飯が食べたい。
「今日はここで昼飯にしよう!」
「え?」
ここでって…
この妙に鼻の長い人も一緒ってこと?
そんな言葉が喉元まで出かかった。
私のその様子を見て、妙に鼻の長い人が口を開いた。
「お前らいつも二人で食ってんだろ?」
「ああ、そうだ!」
「俺も一緒で良いのか?」
「当たり前だろ!な、むつき?」
「…あ、えと、実は、今日はクラスの子と食べるからそれを言いに来たの」
「んあ?そうなのか?」
「うん、じゃあまた…!」
そう言って足早にその場を後にした。
そうよ、別にお昼に一緒じゃなくても放課後になれば…
そうだ、今日はあの緑頭の人とフードファイトしに行くんだった。
「…ッ」
目頭が熱い。
まだルフィのクラスの近く。
もし今ここで私が泣いてしまったら、それを見かけた人がルフィに話してしまうかもしれない。
どこか、一人になれる場所…
「そうだ…」
この学校はとても広く、屋上もたくさんある。
あまり人が集まらない人気のない屋上があると、誰かから聞いたことがある。
たまにカップルがイチャイチャしていたり、教師がタバコを吸っているという話も聞いたこと事があるが、今はとりあえずその屋上に向かう事にした。
早く外の空気を吸いたい。
このモヤモヤした気持ちを早く取り除きたい。