第1章 ずっと大好き 大切な幼馴染み
そう言うと、”超美肌コラーゲンフルーツスムージー”という飲み物を渡された。
「普段からこういうの…」
「飲まねェよ」
そうピシャリと言い放たれる。
やっぱりそうだよね。
また、思わず笑ってしまう。
彼に貰ったサンドイッチを頬張っていると、屋上の扉が勢いよく開かれた。
「むつきッ!」
「る、ルフィ!?」
「ここに居たのか、結構探したんだぞ。教室に居なかったから」
「ご、ごめん。やっぱり屋上でご飯食べようかなあって」
「そうか。ん?お前さっき弁当持ってなかったか?」
そうだ。
今私の手にあるのは、豪華なサンドイッチと、超女子力の高いフルーツスムージー。
私のお弁当箱は…
「それならここにある」
「トラ男?なんでお前がむつきの弁当箱持ってんだ?」
トラ男?
やっぱり、ルフィと顔見知りだったんだ。
「貰ったんだよ、コイツに。だから俺の弁当と交換した」
「は?なんでだ?」
「そ、それは…」
私が屋上に来てわんわん泣き始めて、泣き止ましてくれたお礼にってこの人にお弁当を渡して…
そんな事より、ルフィに泣いてた事を知られたくない…
ルフィに”トラ男”と呼ばれたその人の袖を小さく掴み、ルフィに言わないで欲しいという意味を込めて彼を見上げた。
彼はしばらく黙り込んだあと、口を開いた。
「お前がいつも自慢してきやがるから食ってみたくなっただけだ」
「へ?」
いつも?
自慢?
「なんだそうだったのかァ!てっきりむつきにちょっかい出してんのかと思ってビックリしたぞ」
「お前が心配するような事は何一つしてない」
「…そうか、なら良かった」
な、なんだろう。
なんか空気がピリッてしたような…