第8章 【夏の思い出Ⅱ】FGO/ロマ二夢
『っく・・ごめんなさい・・・、私、馬鹿だからっ・・』
「沙織ちゃん!・・・僕は、君を泣かせてばかりだっ・・ごめん、ごめんねっ・・・触れても・・いい、かな?」
こくっと頷くと、そっとドクターの手が私の頭に乗せられた。
「僕は沙織ちゃんだけが好き、大好きだ。君以外の人なんて、僕には考えられないよ」
『ひっく・・う、私も、ロマニが好きです・・好きだからっああいうのは、心にきますっ・・胸が、すごく痛くなって』
「不安にさせて、ごめん。ごめんね、沙織ちゃん。ごめんっ・・」
『なんで、ロマニまで、泣いてるんですかっ・・』
「だって、っ僕が不甲斐ないせいで・・っ」
嗚咽を漏らすロマニの声に顔をあげれば、彼の眼には涙があふれていた。何も言葉を交わすことなく、どちらからともなく、お互いを抱きしめあう。
また強く絆を結ぶように、大きな愛をはぐくむように。大きな火花に照らされる中、深く長いキスをした。