第8章 【夏の思い出Ⅱ】FGO/ロマ二夢
『せっかくロマニのために、綺麗にしたのが台無し!』
「ごめんよ・・僕も見たかったなあ。」
二人で手を繋いで帰り道を歩く。みんなが帰るのをしばらく待ってから来たので、もうあんなに人がごった返していたのが嘘のように、今は私とロマニしかいなかった。ぷぅと頬を膨らませていると、そんな沙織ちゃんも可愛くて好きっと言って、ロマニは私の頬をぷにぷにと突っついている。
『・・・ロマニ。』
「ん?どうした・・んっ」
『・・・・・次は絶対、二人で花火見に行こうね』
いつもはしないけど、悪戯のつもりでロマニの唇を自分から奪ってみると、まるでロマニは豆鉄砲でも喰らったかのように目を真ん丸にしていた。
「ずるいよ・・・」
『いいじゃん。たまには・・・んっ・・ちゅ・・む』
今度はロマニから深く長い口づけが落とされた。
それからお互い目と目を合わせて、同時に笑った。
今度はいつ休暇がとれるかも分からないし、明日がどうなるかも分からない私達だけど、またいつかきっと、二人で花火を見に行こう、と固く指を結んだ。