第8章 【夏の思い出Ⅱ】FGO/ロマ二夢
本当にハワイで浴衣が買えるとは。正直びっくりした。
あれから3人で浴衣選びをじっくり楽しんだあと、パンケーキを食べてから、各々の部屋に戻った。
ロビーに16時に集合する約束に間に合うように、私はわくわくしながら、準備を始めた。浴衣を着付けるのも久しぶりだったので、気合をいれながら、まずは、髪を結うことにした。
化粧台に座り、簡単に髪を結わせていく。最後に彼の瞳と同じ、翡翠の桜の簪をさして、はい、完成。軽く首をふると、シャラッと何とも涼し気な音がした。そこにまた部屋の扉をノックする音が響いた。もうすでに、肌着状態なので出ることができない。どうしようとオロオロしていると、「沙織先輩!私です!」とマシュちゃんの声がした。ほっと胸を撫で下ろして、バスローブを羽織って出迎えることにした。
『っと、ごめんね。もう着替える途中で中々出られなくて』
「いえ!こちらこそ、突然すみません」
「沙織ちゃーん・・・助けて・・」
扉を開けると申し訳なさそうに眉をはの字にしたマシュちゃんと珍しく元気のない涙目の立香ちゃんがいた。
「よくよく考えたら、私達浴衣を着たことがないので、どう着たらいいのかわからなくて・・」
『なるほど』
「お願い!沙織ちゃん!」
『それぐらいなら、お安い御用だよ』
とニコッと微笑みかけると、二人ともパアアッと無邪気な笑顔に変わった。可愛い。