第5章 【騎士と王】FGO/ギル夢/主人公・女騎士/切
また一匹また一匹と魔獣を殺していく。
もう全身紅くなっているのが、己の血なのか返り血なのか分からなかった。
ガルゥウウウウ・・・・
『お前で、終いだ・・・っ・・・・』
私はやってみせる。
剣を両手で握り、身体に残る全ての力を注いでいく。
『っ・・・・・・散れ!!!!!!』
その最後の一振りで、大きな魔獣を一刀両断、息絶えた。
『はぁっ・・・ぁ・・・・うっ・・・・ははっ・・』
生きた。生き抜いて見せた。
もうすぐ夜明けだ。兵たちの傷の手当てをしたら、すぐに出立の準備をしよう。
そう思った瞬間、私の心臓は一本の鎖に貫かれた。私の血が周囲に飛び散る。限界の身体がドサリと地面に打ち付けられた。ゆっくりと、背後を振り向けば、あの方が私を見下ろしていた。
『っ・・エル、キドゥさ、ま・・!?』
「僕の名はキングゥ。・・・ティアマト神が息子、人類はここで滅びるんだ。」
陽の光に照らされたその翠の髪は、相も変わらず、美しかった。