第5章 【騎士と王】FGO/ギル夢/主人公・女騎士/切
魔獣たちのけたたましい鳴き声が聞こえる。
もう何人もの仲間が散って行った。私もすでに、右目を失い、左耳は食いちぎられ、幾つもの出血が体力を奪っていた。
それでも私は立ち上がるのだ。世のため人のため、そして何よりこの世で最も愛する王のために、この剣を振るうのだ。
あと少し、あと少しで、魔獣は殲滅できる。
「はっ!・・い、いけません!沙織様!!もう、おやめください!!どうか、どうか!!!・・・もう、諦めてくださいっ・・・」
『・・っは・・・諦めるなど、あってはならぬ・・・うっ・・この命果てるその時まで、・・私のっ命は、皆のためにあるのだからぁっ・・』
「・・・っ!!・・騎士様、貴女様は誉れ高い我ウルクの剣ですっ・・・どうか生きてこの先も、ご活躍して頂きたいのですっ・・・なっ」
私を必死で引き止める兵の頭に手を乗せた。
『す、まんな・・・お前の友は、私なぞを守るためにっ散らせてしまった・・・守れなかった・・・すまんな、我、戦友・・』
「・・ぁっ・・・あああっ・・・・そんな、そんなことをっ・・貴方はもっと生きながらえるべき、人ぉ・・なのですっ・・・こんなところで・・・・」
『・・・・・すまん』
痛む身体に鞭を打ち、私はまた戦場に赴いた。