第5章 【騎士と王】FGO/ギル夢/主人公・女騎士/切
強い日差しと熱さで瞼を開けた。
何故か瞼は泣いた後のように少し腫れていて、ピリッとした痛みがした。しかし、泣いた記憶もなく、寧ろ遠征帰りで一度も起きることなく爆睡できた方だった。不思議に思いながらも、冷やした布を目に当てながら、朝食の準備をしていると、近所の者が私の家に何人も押しかけ、みな口々に
「おめでとうございます!沙織さま!」
「騎士様!おめでとうございます!!」
と言った。
寝起きの目をパチパチさせながら、呆けていると、一人の女の子が私の服の裾をくいっと引っ張るので、彼女の目線に合うよう少しかがむと、満面の笑みで可憐な花輪を頭に乗せられた。
そこで私は理解し、皆に礼を言った。
「皆、朝早くからありがとう。」
私は今日、想い人でない人と結婚する。