第2章 【夜】FGO/ギル夢
水を飲み、シャワーを浴びて、着替えた私は、王様と一緒にマイルームへ戻った。王様に会うまでの経緯を話しながら歩いた。彼はずっと、私の傍を離れなかった。
「本当に情けない奴よ。夢なんてものに怯えよって」
『・・・すみません』
「まあもうよい。ところで雑種」
あったかいホットココアを口にしながら、二人並んでベッドに腰かけていた。
『はい、なんでしょう?』
「何故すぐにサーヴァントを呼ばなかった。令呪もあるというのに。それとも、その右手の紋様はお飾りか?」
『・・・・それは・・。・・・こんな夜中にただ夢見が悪かっただけで、助けを乞うなんてそんなの迷惑じゃないですか・・』
「阿呆め」
すっと王様の手が私の頬を包んだ。突然のことで、私は目を見開く。
「貴様は我の宝に傷をつけるつもりか?」
『え、あ・・・の』
「ま、我には傷をつけさせるつもりなどないし、令呪なんてそんなものを使わなくても自らの所有物だからな、当然だ」
なんかすごいことを言われているような、いないような。頬に熱が集まるのを感じて、ふっと顔を逸らした。
「おい、雑種」
『今は・・ダメです・・・』
「なに?王である我のいう事を聞かぬというのか?」
『それは!いや・・でも、ダメです・・』
少しずつ王様が私との距離を詰めてくる。それに少し反抗するように、私も壁際に少しずつ寄っていく。
ん?壁?
『っあ・・・』
右肩にトンと壁があたる。もう逃げ場はない。それでもなお、恥ずかしくて私は目を伏せる。はぁ、とため息をつく王様。