第2章 【夜】FGO/ギル夢
「沙織・・・こっちを向け」
『え、い、今!・・名前っ・・・ん』
王様の甘い唇が私の唇を包む。ちゅっ、ちゅくと部屋に響くその音に、耳まで犯されていく。王様からの口付けに酔いしれていくのか、頭がトロンとして思考回路が上手く動かせない。
『王、ひぁま・・んちゅ・・ん、あっ・・・』
滑らかに時に激しく、私の口内が支配されていく。ゆっくりと私の手から流れるようにマグカップが取られ、ベット脇のテーブルにおかれる。そしてポスッと背中がベットに落ちる。その上に覆いかぶさるように王様が私の上に跨った。
『んはぁ・・はぁ・・・』
「やはりいつ重ねても、美味よ・・・」
離されたその瞬間に呼吸を整える。
頭がトロトロしていて、何も考えられない。
「ふん、脳が溶けて何も考えられないのか?」
『えっ・・・?なんで、分かって・・・』
「顔がそう言っておる」
そう言うと王様は私の額に自分のそれを触れさせた。こうすると、視界は王様に支配されていて、より何も考えられなくなる。
「我のことだけ考えるがいい、雑種。貴様のすべては我のものだ。存分に堪能せよ、許可しよう。」
『王様・・・?』
「ギルガメッシュだ」
『・・・え?』
「名を呼べ、沙織」
『・・ギ、ギルガメッシュ、様・・・』
「っ・・・・良いぞ」
そしてまた熱い唇が私に噛みつくように襲ってきた。
啄むようなキスと熱いとろけるような大人のキスの繰り返し。
「沙織・・っ沙織・・ちゅっ・・んむ・・・沙織」
『ん、はぁ・・・ちゅ、む・・ギル、ひぁ・・・ま・・』
もう何度名を呼ばれたか、もう何度名を呼んだのかわからない。
「っ・・・ちゅ、好きだ」
甘い言葉のあとに、寝間着の中に這わされる王様の細長い指。
それからの記憶はまるで曖昧だ。
私は誘惑されるがまま、快楽の夜へと溺れていった。