第1章 【出逢い】FGO/ギル落ち
へ?
何が起こっているのだろう?
『ん、ふぁ・・・』
視界いっぱいに王様が広がったかと思えば、深紅の瞳は閉じられ、黄金の髪がふわっと私の顔にかかっている。
そして唇への柔らかい感触。
何が、起こって・・・?
『・・ん、ちゅ・・・あ、ん・・お、さ・・・ま、んぅ』
両腕ともベットに縫い付けられるように抑えられ、私のではない舌が私の熱いそれをねっとりと絡めとっている。
唾液を吸われ、口内を犯され、終わりかと思えば、王様は何食わぬ顔でまた唇を重ねる。
今度は両手の指一本一本にひんやりとした指が絡められ、啄むように唇が重ねられる。
ちゅっ、ちゅっと音が部屋に響き、時折ゆっくりと唇を舌でなぞられる。
『ふぁ・・・お、さま・・・むぅ・・んちゅ、やめ・・ちゅう・・な、にぃ・・んっ』
どれだけの時が過ぎたか分からない。
いつの間にか焼けるような身体の熱さは拭われ、何かが治まったかのように倦怠感も消えていた。
これは、キャスターである王様の魔法?そんなもの聞いたことないけれど・・。
『っはぁ・・はぁ・・・ん』
終わりを告げるかのようにちゅっと私に口づけを落とし、清々しい顔をした王様はぺろっと、さっきまで重なっていた彼の唇を舐めた。
「うむ。中々に美味である。」
疑問符が浮かんでいる私は、とても混乱していた。
一体何のためのキスだったのか。
そもそも何故王様が私にキスをしたのか。
身体の熱はなんだったのか。
きょとんとした顔を浮かべる私を王様はそっと支え、ゆっくりと上体を起こした。
上半身を起こすと、そこには、今にもぶち切れそうなアキレウスとケイローン、そしてこの光景を面白そうに見つめるダ・ヴィンチちゃんがいた。
これは、一体・・・・?
自然と頬に熱が集まるのは必然だった。