第6章 夢語り【童磨】R18
「ほぅ……童磨とではなく、この私と共に在りたいと?」
「はい」
「この屋敷を出ると二度と戻ることはないぞ?」
「はい」
真っ直ぐに無惨様を見つめる 京子を、俺はただ、ただ……黙って見ている。
すると京子は
「一つだけお願いがあります」
あ!無惨様にお願いなんてしちゃ駄目だっ……
俺がそう思った瞬間、無惨様が俺を見た。あ、考え読まれちゃったか。
だけど無惨様は口端を上げ、低い声で
「言ってみろ」
それだけを言うと
「はい。私を生涯……女として扱って下さい……」
それは遠回しに、自分自身を鬼にはしないでくれと懇願しているようにも見えた。
だけど京子は少女ではなく、女として扱われ、そして母になりたかったのだ……と……
その時、はっきりと解った。
すると無惨様は
「承知した。お前は生涯 私の妻として生きろ。そして子を育てるのだ」
「はい。ありがとうございます」
えぇーーーー
いいのぉー?本当にぃ!?
俺は呆然と立ち尽くす。
「童磨、京子は私が連れて行く」
拒否権なんてないよね?それに、俺は執着しない。
何に対しても。
そんな考えも読んでしまう無惨様は
「では、そこで見ていろ」
無惨様は白い帽子を棚の上に置くと
そっと京子の顔を上に向かせ
接吻した……