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せめて夢の中だけは ~【鬼滅の刃】短編集~

第6章 夢語り【童磨】R18


「お前……京子か……良い名だ」

京子は名前を褒められると、いつもより嬉しそうに笑う。

命の他に唯一 親から貰ったモノだからな、その名前は。


無惨様は、京子の頭を撫でると、次に頬を撫でた。

京子は猫にでもなったかのように、無惨様に頭を預ける。


「京子、お前に選ばせてやろう」


何を……


「ここでいつまでも少女のように扱われ、死ぬまで童磨と共に暮らすか……それとも

 私の元で、女として……母として暮らすか

 どちらがいい?」


「ええっ?母ですか?」


思わず俺は口を挟む。


「今まで何度か試したのだが、誰も私の子を腹に宿すことはなかった。
 だか鬼とずっと暮らしていた京子なら……
 あるかも知れないだろう?」


無惨様はただの戯れなんかで言っていない。

本気で京子を孕ませ、自身の子が欲しいのか……

そう気づいた俺は、黙って京子を見つめる。


だけど京子は黙っている。
だって話す事が出来ないから。

なのに


「お前の口で答えてみろ、京子」


無惨様は、京子の言葉を欲する。無惨様に対する言魂は有効だからなぁ。

でも京子は……



「貴方様と共に在りたいです」




ハッキリとそう答えた。



「え……」

間抜けな俺の声が漏れた。



その時俺は



初めて京子の声を聞いた……


鈴を転がしたような、愛らしい声だった。






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