第6章 夢語り【童磨】R18
また穏やかな日が続くと思っていた。
いつも俺の腕の中で眠る 京子。
俺はその寝顔を見てから、夜毎出歩く。もちろん、食事の為もあるんだけど……
あんまり人間を食べないとさ、あの人が怒っちゃうんだよね。
俺の力も落ちちゃうし。
食べれば食べるほど、強くなれるんだったら……
これからも京子を守るために、俺は食べ続けなきゃだしね。
それでもいつもより、早めに部屋に戻ると……
俺は、ビクッとした。
京子の眠る褥の横に、帽子を被った男性がいたから……
「わあっ、吃驚したなぁ~無惨様じゃないですか」
俺はニコニコと話しかける。
「お前からずっと妙な気配を感じていたんだが……」
赤い眼をこちらに向ける無惨様。
「妙な気配ですか?」
俺はいつものように、おどけて聞いた。
そんな俺の態度は見ないようにしているのか、無惨様は視線を下に向け
「この娘のせいか……」
京子の頬をさらりと撫でた。
「……」
眠っていると思っていた京子は、じっと無惨様の顔を見ていた……
そしてにこりと笑うと、また眼を閉じた。
それは、あの日……
そうだ初めて京子を見つけた、あの日。
京子は俺の眼を見て、笑いかけてきて……
そのまま眠りについたんだ……
「面白い娘だな。年の頃は……15と言ったところか」