第6章 夢語り【童磨】R18
奴が眼を覚ましたのは、森の中にある木に逆さに吊り下げた時だった。
途中、眼を覚まして騒がれるのが嫌だったからね。
声も聞きたくない。
奴は最初 吃驚した顔をしていたけど、声を発する事はなかった。
だって二度と出せないように、俺が喉を切ったからね。
今度は俺の顔を見て、恐怖でぶるぶると震えている。
あぁ、小便まで垂れて……其所も切っておこうね。
「もうすぐ陽が昇る。飲まず食わずここから血を流して垂れ下がっていろ。
夜になれば、ここは猪や野犬が出るからね。きっと明日か明後日の朝には、そうだなぁ半分くらいは骨になっているよ」
にっこりと笑って言った。だって
俺が手を下したら、一瞬で死んじゃうでしょう?
そんなの俺が耐えられない。
お前はじっくり苦しめばいい……
俺の大事なモノに手を出したんだ。
今度はニヤリと笑って言った。
「安心して、ここは誰も助けになんてこないよ」
これが所謂、朝飯前って事かな?
俺は物の数分で全てを終えると、直ぐ様屋敷に戻った。
だって俺まで陽に当たったら、大変な事になっちゃうからね。
そして何食わぬ顔で部屋に戻ると、京子が湯殿から出て来るのを待った。