第6章 夢語り【童磨】R18
月日が流れるのは早い。
子供の成長はもっと早い。
塵のように汚かった京子が、すっかり少女へと変貌している。
だけど京子は言葉を発する事がなかった。
俺が見る限りでは、特に何処にも問題はないみたいなんだけどね。
京子はいつも笑顔で、そして皆の言い付けもきちんと守り、信者から大変大事に扱って貰っていた。
それに、俺の一番のお気に入りだからね。
俺は京子が傍にいるのが好きだった。
いつもにこにこと笑う京子は、心の底から俺を信頼し、頼ってくれている。
心の綺麗な人を傍に置いておくのが好きだからさぁ。ほら先日も一人、飛び出しちゃったしね。
琴葉もさー、あんなに怒らなくても良いんじゃなかったの?俺は、善行をしてるんだよ?
皆、苦しみから逃れる事が出来て、俺の中で永遠に生き続ける事が出来るんだからさー
まぁ……京子は、何かを気付いてる。
だけど、まだ俺の全てを見せた事はない。
またあんな風に罵倒されるのも嫌なんだけど……
何よりも俺の手の中から、居なくなられるのがね、困るんだよなぁ。
だって俺も京子と居るのが、心地良いんだから。