第6章 夢語り【童磨】R18
「教祖様っ!」
朝早くから在家信者の一人が、俺の元に駆けつけた。
そして慈愛に満ちたつもりの目で、あの虫の息を抱えながら
「私共で世話をして宜しいでしょうか?」
ほんっと好きだよね。
自分より弱い者に対して、何かを施すのが。
自分が偉い人にでもなった気分なんだろうね。
だけどそれでこの信者は気持ちが救われる。
悪どい事をして稼いだ金が、浄化できる気分になるんだろうね。
ま、そんな事にはもちろん ならないんだけどさぁ。
だけど俺は言ってあげるんだよ優しいからね。
「そうだね。その子はきっと天からの授かり物だね。良くしてあげてね」
「なんと素晴らしいお言葉!有難う御座います!!!」
そう言って俺に手を合わせ、拝んでくるんだけど……
本当にその子の事を考えるなら、さっさと拭ってやって医者にでも……
あ、そう言えば在家信者に医者もいたなぁ。
そいつを呼ぶんだろうな。
ま、いいよ。なんでも、好きなようにすればいい。
だけどあの虫の息……
運の強い子だなぁ~