第6章 夢語り【童磨】R18
足でゴロンとその塵を上に向ける。
「うわぁ……」
どろどろに汚れきっていて……既に虫の息だなぁ……
子供って食べるところ少ないけど、美味しいんだよね。
ま……健康で元気な子、ならだけどね。
俺は扇子で口許を押さえながら、もう一度足でその子を転がし、下に向けようとした。
その時、
その子と眼が合った。
いや、眼が合った位じゃ俺の感情は動かない。
なのに、その虫の息の子は俺を見て
にこっ
と微笑むと、眼を閉じたのだ。
それはまるで、安心して眠ったかのように……
「はぁ~~~」
俺は大きな溜め息を吐いた。
「ばっちいなぁ~……
でも、うちの門の前に置いといたら……信者が“徳を積もう”って馬鹿な考えで拾ってくれるかもね」
俺は結晶の御子を一人吐き出して、その子を抱えさせると、また呟いた。
「自分の人生、賭けてみる?」
これで生き延びれば、この子の勝ち。
このまま死ねば、この子の負け。
どのみち俺には関係ないんだけどね。