第5章 藤の花の家紋の家 ~悲鳴嶼行冥~ 後編
子供も大きく順調に育っていた、ある日……
大きな地震がおきた。後に言う『関東大震災』だ。
東京は焼け野原……
混乱の最中、私はある目的の為に上京していた……
私達の住む 元藤の花の家紋の家は、大きな被害はなかったものの、戸籍などが全て焼けたとの事で、私達は新しく戸籍を作りに向かっていたのだ。
そして私はこの混乱に乗じて……
「悲鳴……いえ、姫嶼 京子 と、息子の 行陽です。夫とは既に死別しております」
私達は、夫婦になった。
悲しみを背負った名前は、もういらない。
私達の未来には明るい希望しか見えていない。
そして……
幸いにも家と土地が守られていたおかげで、私達は震災で孤児になった子供達をたくさん受け入れた。
先生や正一君も、手伝ってくれた。
その後、また大きな戦争もあって……
色々と形は変えたけど……