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せめて夢の中だけは ~【鬼滅の刃】短編集~

第4章 藤の花の家紋の家 ~悲鳴嶼行冥~ 中編 【R18】


「大丈夫。私は柔らかいから……」

握っていた行冥君の手を私の頬に持っていくと
大きな掌で私の頬を優しく撫でる行冥君。

そしてその手は、私の唇もそっと撫でる。

「ん……」

思わず ゾクッとして声が漏れた。

「すいませんっ」

行冥君は、ビクッとして私から手を離そうとした。
だけど私はその手を握って

「違うんです……恥ずかしい……私ったら……」


「では……もっと触れても?」

「……はい、もっと……」


触って、と恥ずかしげもなく言いそうになったその時、行冥君の顔が近付いてきた。

私はその言葉を飲み込むと、行冥君の唇に吸い付いた。
固くて大きな唇……

自分からこんな、はしたいない真似はしたことがなかった。
だけど……私は彼の唇を割って、舌を絡めるように入って行った。

一瞬、戸惑ったような感じもしたけど、勘のいい彼は私の舌の動きに合うよう、ゆっくりと動いてくれる。

時には舌を吸ったり、甘く噛んだり……


甘い甘い水音が、暗い部屋に厭らしく響く


抱き合う二人の間には、薄い着物がある。

私は彼の胸元から手を入れ、着ている物を脱ぐように促した。

それを察して、行冥君はさっと着物を脱ぐと下帯一枚になった。

私も自分の着物を脱ごうとしたら

「私が……」

行冥君が 優しくゆっくり脱がせてくれた。

そして

「私と全く違う。貴女の身体は、どこも柔く温かな匂いがする……」


そう言うと、行冥君の手はだんだんと下に降りて行った……








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