第4章 藤の花の家紋の家 ~悲鳴嶼行冥~ 中編 【R18】
だけど、ずっと背中を擦っていた手がピタリと止まった。
そして両肩を捕まれ……
グイッ!!!
と、引き離された。
「えっ……?」
さっきまでの甘い雰囲気は?
やっぱり私みたいな出戻りの年増なんて、気持ちが悪かったのかしら……
そんな事を思った矢先
「わ、私は……やはり、まだ修行が足りないようで……」
「???」
「も、申し訳ない。少し距離を開けてもらえないかと……」
「あ、ごめんなさい。私なんかが甘えちゃって……」
「違います!出来るのなら、もっと貴女を甘やかせたいっ!!!」
「!!!」
何それ!?口説き文句!?いや、違う……行冥君は至って真面目に答えている。
でも……なんで……
「申し訳ない……自身の修行が……」
そう言ってチラリと下を向いた行冥君。
思わず私も下を見る……
「!!!」
夜道で暗いから、解りにくいけど……
ま、まさか私で
大きくな……