• テキストサイズ

せめて夢の中だけは ~【鬼滅の刃】短編集~

第7章 愛する人【愈史郎】


俺の血を呑ませればもしかして、京子は生き永らえたのだろうか……
俺と共に鬼になっていたのだろうか……
いや、俺の血でそんなことが出来るとは思えない。

それに、京子には人として女性として

人生を全うして欲しかったのだ。


それは、人として人生を全うすることの出来なかった珠世様の為にも。


珠世様も京子も俺だけの物にならなくてもいいんだ。

ただ俺は二人の幸せな顔を、側で


見たかったんだ……




―――――――――――



京子が死んで一年も経たずに戦争は終わった。

その戦争は、いわゆる『第二次世界大戦』で
日本は大敗した。


炭治郎達は 皆、無事に帰ってきた。
もちろん家族も全員、揃っている。

戦後暫くの間は、皆が同じ場所に住んでいたのだが、それぞれが町に出て行った。

時折、炭治郎達が遊びに来た。
子供たちは連れて来ないでくれと言った。

年をとらない俺の姿をもう



誰にも見せたくなかったからだ。






時代は変わって行く
昭和から平成、そして令和

俺が鬼だと知る者も 京子の事を覚えていた者も、誰も



いなくなっていた ――――――――






/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp