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せめて夢の中だけは ~【鬼滅の刃】短編集~

第7章 愛する人【愈史郎】


どうやって俺の元まで辿り着いたのか、これはやはり珠世様の思し召しなのか……

だったら、何故……
今……こんな……






京子が俺の元に走ってきた。
そして爆弾を落としながら飛んでいた飛行機の後ろから、物凄い勢いでもう一機が飛んで来たのだ。

狙いは京子達女学生が働いていた軍事工場だった。
辺りは一瞬で轟音が響き、火の海になった。



そして俺の腕の中には ――――



「お父さん、駄目だよ。まだ陽が沈んでないよ」

「あぁ。大丈夫だ」


「ううん、駄目……背中から焦げた匂いがする……」

「そうか……」


「ごめんね……」

「大した傷じゃない」



俺の背中は飛んできた瓦礫が当たり、黒い布が裂け、直接陽に当たっていた。


だけど怪我をした箇所は、すぐにメキメキと音をたて修復している……

俺は顔にかかった布も剥ぎ取った。

先ほどまで夕陽によって真っ赤に染まっていたのに……
辺り一面が黒い雲に覆われ夕陽は遮られ、顔に当たる光は……爆撃により燃え盛る炎に変わっていたのだ……



「駄目だよ、早く……」

「いいんだ。家に帰るぞ」




「うん……嬉しい……ありがとう、お父さん……」



「二人で紅茶を飲もう……」


俺の言葉に、にこっといつもの明るく微笑む顔を俺に向けてきた


「…………」



だが、もう京子からの



返事はなかった ――――――――――






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