第7章 愛する人【愈史郎】
行儀作法が全くなっていなかった 京子。
だけど周りの助言や、子供達が皆、兄弟姉妹のように育っていたおかげか、小学校に上がる年には、読み書きも出来るようになり、行儀もかなり良い娘に育ってきた。
昼間は部屋に籠りっきりの俺にも不満は言わず、笑顔を絶やさない……あー1つ、あったな。
食事を一緒に摂らない事だけは、ずっと文句を言っていたな……
それでも夜は、ずっと俺の布団に潜り込んできて一緒に眠る日が続いた。
そしてその間にも、何度も戦争に行く男達……
戦禍が大きくなってきた……
あまりにも敗戦を濃厚に感じる。
アイツらも、きっと感じとっている。
だけど国同士の争い、俺達はどうすることも出来ない。
いつ終わるのか……先が全く見えない不安。
食料はなんとか手に入る。俺が夜中に拝借に行くからだけどな。
どんな時代でも鬼のような奴がいる。
そんな欲の塊の鬼のような奴らから、必要な分だけを頂いていた。