第2章 失くし物 ~蝶屋敷にて~
「何、騒いでんだあっ!紋逸!屋敷の外まで聞こえてんぞっ!!!」
汗を拭きながら、伊之助がやって来た。
「伊之助~~~~聞いてくれよぉ~~~」
「あ゛あ゛っ!?何だぁー?ったく、この布っきれ、全然汗が拭けねーじゃねぇかっ!!!」
いつものように、雑に返事をする伊之助。
しかし、そこにいた全員の動きが止まった。
アオイ以外は
「う゛っ……」
ドサッと音をたてて、伊之助がその場に膝から落ちた。
「な、なんだぁ?……てめぇ……」
「貴方だったのねっ!!!犯人はっ!!!皆っっっ!!!」
「はいっ!!!」
3人娘の声が揃った!そして、それぞれが箒を持って伊之助に向かって行った!
「うわっ!何だよっ!何すんだ、オメーらっ!!!」
伊之助は、女、子供でも容赦ない。かかってきたなら、やり返すだけだ。
だけど
「はあっ!?こらっ!離せ!紋逸っっっ!!!」
応戦できないよう伊之助を、善逸が羽交い締めにしている。
「お前のせいで、俺は.在らぬ容疑をかけられたんだっっっ!おまけに、変態呼ばわりまでされちゃってさっっっ!!!」
「はあ゛っ!?お前が変態なのは、間違いねーじゃねぇかっ!!!」
「何それーーーっ!?お前みたいな、年中半裸の猪ヤローに言われたくないわーーーー!!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ6人を、どのタイミングで止めようか迷っている炭治郎。
そして、その炭治郎の背中を
ずっと見ていたのは、カナヲ……