第2章 睡魔-SUIMA-
ローは一見クールに見えるが、実のところ熱い男である。
細かなところに気も配れるし優しい。
だが、ほんの些細な事でよくションボリしたり拗ねたりする。
そんなギャップも、ローの魅力の一つである。
「でも、だからって何で私縛られたのよ」
「…つい」
ついって…。
ローはSMプレイに興味があるのだろうか。
ローの部屋に行くこともあるが、そういう類のDVDを見つけた事は一度もない。
あ、もしかしてパソコンの中にあるのかもしれない。
今度こっそり探してみよう。
「まあ、とにかく気にしないで?とりあえず朝ご飯食べよ?」
私がそう言うと、まるでお菓子を買ってくれなくてその場に立ち尽くす子供のような顔をされた。
本当、ローのこういう所が心底可愛いと思う。
まあ、絶対口には出さないけど。
一度本人に可愛いと言ったら、照れてるのか何なのか、機嫌を損ねてしまった事がある。
甘えるフリをしたら速攻でいつも通りに戻ったけど。
そう言って私がベッドから離れようとしたら、腕をひっぱられ、私の腰を引き寄せて来た。
また仰向けの状態へと逆戻りしてしまった。
「…お前が怒ってないのは分かった」
「う、うん…って、この状況は何?」
「リベンジさせてくれ」
「り、リベンジってまさか…」
「…今からシたい」
「い、今からって、もうお天道様もピッカピカで部屋も明るいし色々見えてますけどもッ…!?」
どうも明るい時にそういう行為をしようとは思わない。
理由としては、ほぼ“恥ずかしいから“である。
だがローは、度々電気をつけたままだったり、昼間からシてこようとする時がある。
嫌だと言っても、あれよあれよという間に意識が薄れていき、気付いた頃には電気がつけられていたり、カーテンが開けられていたりするのだ。
ちなみに何故カーテンをローが開けられたかというと、ローの物が挿入されたまま、信じられないことに私を抱えながらカーテンの前まで移動したのだ。
あれはお昼過ぎのことで、死ぬ程恥ずかしい思いをしたのを今でも鮮明に覚えている。
だが、ローの体を隅々まで見れたのは嬉しかった。
そこは唯一良かった点かもしれない。