第3章 僅変化-WAZUKANAHENKA-
特に周りからも何も言われなかったので、ローにもバレないだろうと思ったら、このようにずっとお腹をぶにぶに弄られているのだ。
「や、やっぱり私太ったかな…」
「こんなの太ったうちに入んねェよ。それにこれぐらい肉づきがある方が好みだ」
「な、何よ。じゃあ今までは我慢でもしてたって言うの?」
そう言ってローを睨みつけると、プッと口を手で隠しながら笑われる。
(む、ムカつくぅッ〜!!)
「そうじゃねェ、前のお前も今のお前も好みだ」
「ま、またそんなこと言って…」
「本当の事を言ってるだけだが?」
そう言うと、やっとローの手が私のお腹から離れた。
その代わり、顎をクイッとあげられ、ローの唇が降りてきた。
「んむッ…」
「どんなお前でも好きだ」
「…ッ」
「赤くなるお前も可愛い」
ローは普段あまり饒舌じゃない分、二人きりの時はとてつもなく甘いセリフを吐く。
その破壊力は凄まじい。
付き合って一年は経っているというのに、未だ全然慣れない。
むしろ、どんどんエスカレートしているような気がする。
付き合った当初は、こんな恥ずかしいセリフをペラペラ喋ってはいなかったと思う。
「そ、そんなこと言われたって、イヤなものはイヤなの…」
「分かった、じゃあ今日はもう触らねェ」
「きょ、今日は…?」
「もう黙ってろ」
そう言われ、再びローに唇を塞がれた。
今度はさっきよりも長くて深いキス。
「ちょ、ちょっとロー、お昼のご飯の準備ッ…」
「後でで良い、今はこっちが先だ」
「もう…」
結局、こうやっていつもローを許しちゃう。
だって好きなんだもの。
お昼にと用意した食材達は、夕飯の材料になりそう。
もうイライラもどこかにふっとんでしまった。
久々に、今日はゆっくり過ごそうね?
〜END〜