第2章 睡魔-SUIMA-
ローが私の両腕を抑え、深く深くキスをしてきた。
昨日中途半端にされたせいか、体がすぐに反応してしまう。
「…自分でシなかったのか?」
「ろ、ローが隣に居るのにするわけないでしょッ…!」
本当はシようと思ったのだが、スヤスヤ寝ているローを見ていたら毒気が抜かれてしまった。
それに途中でローが起きてきたら、とてもとてもいたたまれない。
死ぬほど恥ずかしい。
「俺も十分反省した。もう二度と昨日のような失態は起こさない」
「い、いや、別にそこまで思わなくても…」
「お前を拘束した姿を眺めながら、起きたらすぐに昨日の事を挽回しなくちゃならないと思った」
「え、それ反省してるの…?」
「ゆき…」
ローに名前を呼ばれ、何も言えなくなってしまった。
もう朝になり、カーテンは閉まっているものの、明かりがなくてもお互いの姿がハッキリと見える。
このままシてしまったら、体の隅々まで見えてしまうだろう。
それはとても恥ずかしい。
恥ずかしいけど…
「…もう、今度は中途半端にしないでね?」
正直な所、私も中途半端になってしまって少し物足りなさを感じた部分もあった。
ローの首に腕を回し、今度は私からキスをした。
驚いた表情を見せたあと、やっとローがいつも通りの顔に戻った。
明るくて恥ずかしいけど、こんなローの笑顔を間近で見られるなら。
今日だけは、たくさんたくさん我慢してあげる。
恥ずかしいから、抱きつく率が高くなるとは思うけど。
許してね?
今日は一日ゆっくりと。
二人で愛を確かめ合おう。
〜END〜