第10章 壊れた関係
「あっ.............」
ズルリと、彼は滾る物を一旦抜き出し、私を仰向けにした。
「セナ」
唇が重なり舌が絡まる中、彼の熱がまた挿れられる。
「は、........ぁっ、ぁっ、...好き............です」
私はあなたが好きだと、ちゃんと伝えたい。
「っ、..........黙れ!」
彼は私の言葉に苛立ち、注挿を速め、荒々しく呼吸を奪って行く。
毎晩この繰り返しだ。
「んっ、..あっ、あ、はっ、は、....ん、.....はっ、あぁ.........すき......ぁっあ!」
でも、分かって欲しい。
確かに私は弱くて、他の人の優しさにすがりたくなったけど.........
「す.....き....」
私が好きなのは、あなただけだと言うことを......
「っ、....... セナ」
ギュッと身体をきくつ抱きしめられ、注挿が速まると、彼の熱が中に放たれるのを感じた。
あんなに激しく怒りをぶつけるように抱くのに、
彼は、行為が終わった後は、動けなくなった私の身体を優しく拭いてくれ、私を抱きしめて眠る。
そして、毎朝私が目を覚ます頃には居なくなっていた。
彼が帰る姿を確認したかったけど、毎晩壊れそうに激しく抱かれていて、かなりの疲労感で、確認することは出来ずにいた。
そしてそれは少なからず、撮影にも影響し始めていた.............
「セナ、痩せた?」
スタイリストさんの何気ない一言。
衣装である制服のウエストが合わない。
「あれ?痩せたかなぁ。水着の撮影が今度あって、それに向けて体絞ったからそれかな?あはは」
「それ以上どこ絞るの?ここ最近顔色も悪いし、無理なダイエットはやめておきなよ?」
「はーい。気をつけます」
「とりあえずウエスト直すから、ちょっとじっとしてて」
プロの手により、衣装は速やかに詰めてもらって事なきを得た。