第8章 心の隙間

「あ、あの................」
今、恋人としてって言った？


「ふふ、困らせちゃった？ほら俺たち今、役の中では恋人同士でしょ？」


「あ、あ〜、そっかぁ、あ〜びっくりした。真剣な顔で言うから本気にしちゃうとこでした」

イケメンの冗談は凄い破壊力だな。まだ心臓がバクバクいってる。


「本気にしてもらって、全然良いんだけどね」


「えっ？なんて？」


「何でもないよ」

義元さんは何かボソッと呟いたみたいだけど、私の耳には届かなかった。



「......,,,,,さて、ここからは真面目な話。明日のセナの予定を教えてくれる？」


「明日ですか？明日は....土曜日ですよね。えーっと......」

スマホのスケジュールを確認すると、悲しいかな、真っ白。


「うっ、..............何も予定はありません」

学校と仕事以外の予定が何もない私って.........



「良かった。じゃあ明日一日のセナの時間、俺がもらってもいい？」



「はい？」


「役作りも兼ねて、デートしよう」