第7章 キャンパスライフ
「はぁ〜?あんたね、それまじで言ってんの?」
「えっ?」
家康が信じられないって顔で私を見た。
「こいつはね......」
呆れた様に家康が口を開いた時、
「いいよ家康。それ以上言わなくて」
今川さんが家康を止めた。
「.........あの、失礼な事を言ったのならごめんなさい。私、ここ最近やっとテレビとか映画の勉強を始めたからあまり詳しくなくて。家康みたいに子役からだと知ってるんですけど」
本当に、部活を引退した後はリハビリと受験勉強でそれどころじゃなかったから.........
「っ、.....何それ、馬鹿じゃないの」
よく分からないけど、ぷいっと家康はそっぽを向いた。
あれ、家康を怒らせた?
「ふふっ、セナだっけ?気にしないで。俺も家康も怒ってないから。俺もね、一応映画とか出ているんだよ。あと、俺の事も下の名前で呼んでくれる?」
家康の態度を気にしてる私に、義元さんは優しく笑いかけてくれた。
「はい。勉強不足でごめんなさい。早速義元さんの出てる映画見てみますね」
「そう?ありがとう。所で、君は何年生?学部は?」
「あ、私は教育学部です。ちょっと小学校の先生に憧れてるって言うか......」
「ふ〜ん。似合いそうだね」
...............なんて言うか、義元さんは本当に優しく笑う。
私の好きになった人は意地悪な笑いしかしないから、何だか久しぶりに優しい男の人に会った気がした。(これは社長に失礼?)
「お二人は何年生ですか?学部は一緒?」
「俺は薬学部で三年、義元は国文学部の院生だ」
家康が答えた。
「へぇ、どっちも楽しそう」
「.......別に、信長様にどうせ大学へ行くなら、何か資格が取れる方が良いって言われて、薬に興味があったからここにしただけ」
「...........そうなんだ」
でも、薬学部って相当勉強しないと入れない気がするけど.....性格はまだよく分からないけど、家康は、頭も顔も良いんだな。
「義元さんの国文学はどんな事するんですか?」
「俺は、日本の歴史文学に興味があってね。日本古来の美しい物にたくさん触れたくて、この学部を選んだんだ」
何だかとても納得。会ったばかりだけど、義元さんの話し方や動きはとても優雅で魅入ってしまう。