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あなたが教えてくれたこと【イケメン戦国】

第6章 助言



講義終了後は事務所に直帰し、ダンスとヴォーカルレッスンを受け、自分の部屋に戻る頃には夜も遅い時間となっていた。


部屋に戻りテレビを付けると、当たり前にCMが流れてくる。
ドラマもCMもこんなにたくさん、毎日流れてるのに何も決まらない。


社長にスカウトされ、トントン拍子に雑誌の仕事が決まったからいい気になってたのかも。

現実はそう甘くない。
週3〜4件ほど受けるオーディション。
でも、殆どが書類の段階で落とされる。たまに書類が通っても、一次で全滅している状態。


「はぁ〜へこむなぁ」

こんな時は、体を動かすに限る。

ダンスレッスンを受け終えたばかりだけど、まだ体を動かしたい私は、タオルとお水とスマホを手に持ち、トレーニングジムへと行った。

織田プロのビルの中には、寮生と社長や社員が使用できる立派なジムがある。

本当は、外の空気や景気を楽しみながら走りたいけど、今はモデルとして、極力外気には肌を晒さない様にしなければいけないから。

でも、大丈夫。気持ちのスイッチの入れ方は分かってる。

お気に入りのランニングシューズを履いて、軽くストレッチをして筋肉をほぐしたら、大好きな音楽で耳を塞ぎルームランナーを走らせる。


ほら、心が軽くなってきた。


へこんだ気持ちなんかすぐに消えて無くなって、走る気持ちよさだけに身を預け、私は自分の世界へと入って行った。













「..............!」


「.............:セナ!」



「おいっ、セナ!」


耳につけた、ワイヤレスイヤホンを片方外され、名前を呼ばれた。



「あっ、社長?」

急に現実に戻され、走りながら社長を見る。

「...............あっ、」

時計を見ると、もう10時を過ぎていた。

(しまった、夜の10時〜12時までは社長専用タイムと決まってたんだっけ?)

「すみません。すぐ出ます」

慌ててスピードを緩め、少しづつ減速していく。


「焦らなくていい、ストレッチもしっかりとしていけ」


「はい。ありがとうございます」

早歩き程度の速度に落とし、そのまま数分歩いてルームランナーを降りた。




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